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概要

LadyTokyo-No210

※表示価格は特記以外消費税を含んでいます レディ東京 2018年12月5日(水) [14] 福島県のあんぽ柿は伊達市を中心とした県北エリア(伊達市、桑折町、国見町など)で主に生産されています。伊達地区は東に阿武隈山系の霊山、西には吾妻連福島県伊達市が発祥の地であり、伊達地区の特産物のあんぽ柿は、一般の干し柿よりも鮮やかな橙色で形もふっくら。単に天日に干すだけでなく、硫黄で燻蒸し乾燥させることで、まるで羊羹のようにジューシーな食感を楽しめるのが特徴です。峰、北は宮城県境の山々に囲まれた福島盆地に位置します。昼と夜の寒暖差が大きい盆地特有の気候は品質の高い果物の栽培に適しているため、柿、桃、りんごなど果物の生産も盛んです。また、このエリアは特に柿の栽培と干し柿作りに適した気候で、あんぽ柿は全国の市場に出回る特産品。11月から2月があんぽ柿の生産・出荷の時期となるので、このエリアの農家は昔から出稼ぎ労働者が少ないユートピアとうたわれました。から、現在の「あんぽ柿」と区別するため、「黒あんぽ」と呼びます。 今の「あんぽ柿」が誕生したのは、大正年間の中頃。五十沢村の隣村の大枝村出身の佐藤福蔵がアメリカ・カリフォルニア州に行き、干しぶどうの乾燥に硫黄燻蒸を施していることを知り、兄の京蔵に伝えます。すると京蔵は硫黄燻蒸をあんぽ柿に応用しようと研究を始めますが完成せず、その意思を受継いだ者達が黒あんぽの改良を続けました。そしてついに大正11年(1922年)に硫黄燻蒸あんぽ柿の原型が完成。翌年にあんぽ柿出荷組合を創立して出荷を始めました。 さらにあんぽ柿誕生の背景には、日本の生糸市場の衰退も関係しています。幕末から明治期にかけて福島盆地一帯は全国有数の養蚕地帯でした。五十沢の農家も養蚕を行い、小規模な製糸工場などもあり、地域一帯は潤っていました。しかし、生糸市場は相場の変動が激しく、大きな利益を得ることもあれば、反対に破産してしまう農家もありました。さらに大正期に入ると生糸市場に陰りが見え始め、五十沢の有力者達は養蚕に代わる新しい農産物の模索を始めました。その結果誕生したのが、あんぽ柿です。大正末期から昭和初期にかけて特産品として一大飛躍し、年末年始の贈答品用として、日本全国の市場で好評を博し、日本一のあんぽ柿と称えられるようになりました。今ではネットショップで購入もでき、気軽にその美味しさを味わうことができます。 半生状態でとってもジューシー。あんぽ柿は美味しいだけでなく、栄養も満点です。「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるように、柿そのものが栄養価のとても高い果物。ビタミンCやβカロテン、カリウム、食物繊維が多く、乾燥加工することで栄養価が凝縮され、食物繊維なども約2倍?4倍に濃縮されます。あんぽ柿にはゴボウを上回る食物繊維が含まれていて、整腸作用があり、腸内環境を良くする効果が期待できます。また、βカロテンは粘膜を丈夫にする働きがあるとされるので、風邪予防にもよいと言えるでしょう。生柿のビタミンCは製造過程でほぼ無くなってしまいますが、その代わりビタミンAが2倍に。ビタミンAには抗酸化作用があると言われていて、アンチエイジングに嬉しい栄養素です。【食べ方いろいろ】  そのまま食べても美味しいあんぽ柿ですが、冷蔵庫で冷やせばゼリー感覚で、冷凍すればシャーベット感覚で楽しめます。また、小さく刻んでヨーグルトに混ぜたり、お菓子の生地に混ぜたりするのもおすすめ。ドライトマトの代わりにパスタの具材にしてもよいでしょう。チーズやパンとの相性も抜群です。http://www.fs.zennoh.or.jp JA全農福島 検索あんぽ柿の原料となる渋柿は多量のタンニンを含みます。渋柿は生だとタンニンの強烈な渋みでそのまま食べることはできませんが、あんぽ柿に加工すると渋みは無くなります。しかし、タンニンは無くなったわけでなく、水溶性から不溶性に変化し残っています。タンニンはポリフェノールの集合体で抗酸化性があると言われ、老化防止に役立つ嬉しい成分です。あんぽ柿は先人の知恵が詰まった元祖・和製ポリフェノール食品なのです。食の宝庫「福島県」冬の味覚「あんぽ柿」あんぽ柿発祥の地、伊達地区おいしさと栄養が満点!日本一のあんぽ柿。誕生の道のりJA 全農福島柿を干すための施設「柿ばせ」の内部。あんぽ柿の生産時期には、農家の「柿ばせ」にあんぽ柿がズラリと吊るされ、オレンジ色の光景に。このエリアの季節の風物詩となっています。一般の干し柿の水分量は20~30%程度ですが、あんぽ柿の水分量はなんと50%。半生のような口の中でとろける果肉と素材そのものの濃厚な甘さが楽しめる冬のとっておきのスイーツです。 福島盆地に位置し、古くから果物の栽培に適していた伊達地区。柿栽培の始まりは、宝暦年代(1751年?1763年)に上五十沢峯部落(現・伊達市梁川町五十沢)の七右衛門という人が、どこからか蜂屋柿の木を持ってきて植えたことによると伝えられています。蜂屋柿の皮を剥き、天日で干した柿を江戸時代には「天干し柿(あまぼしがき)」と呼んでいたのが、「あんぽ柿」の名前の由来とされています。当初は一般的な干し柿と同じ作り方だったため、時間がたつと乾燥し、表面に粉がふき、黒く硬くなること紙面で紹介した福島県産あんぽ柿はJAタウン・ネットショッピングで購入できます。写真はイメージ伊達市元祖・和製ポリフェノール食品伊達市桑折町国見町うっすらと雪化粧した霊山